催眠と聞くと、何を想像しますか?

人によっては5円玉を揺らしたり奇妙な動きをするところを想像するかもしれません。

 

それが完全に間違いだとは言えませんが、そうではないと申し上げます

確かに催眠のなかにはそういったものもありますが、

それは「ラーメン」と聞いてしょうゆラーメンを想像するようなものであり、

実際にはさまざまな種類や味のラーメンが存在し、

中には全くの別物といっても差し支えないほど異なったものも存在します

 

催眠の現状も、まさにそのようなものだと思います。

 

催眠とは、本来は言葉や動作によって生じた感覚や感情を用いて、

相手の心の奥深く、潜在意識に働きかける手法だと認識しております。

(諸説ありますので、これが絶対だ!とはいえませんが…)

 

たとえば。私は先ほどラーメンを例えとして挙げましたが、

 

「ちぢれた麺に、濃厚なつゆのうまみとコク、そして卵のコクやチャーシューのうまみといった具材の味わいが複雑に絡み、表面が琥珀色に輝いている絶品のしょうゆラーメン」だけではなく、「乳白色のつゆから漂う香ばしいとんこつの香りは濃厚であり、そのとんこつの香るスープは濃厚なのにどこかさっぱりとしており、その味わいとねぎの香りがつんと鼻をつく、シンプルなのに味わい深いとんこつラーメン」も存在しており…

 

などと書いてあればどう感じるでしょうか。

お腹が空いたり、ラーメンが食べたくなったりするのではないでしょうか。

この「飯テロ」などと呼ばれているような、食欲を刺激する文も読んだ人の心に訴えかける、という意味では一種の催眠といえるのかもしれません。

 

文章や映像・或いは音楽といった様々な表現物に接したときに感じる情動も、接した人の心に変化を及ぼす点では同じです。

催眠とは、決して可笑しく怪しいものではなく、実は日常にありふれている感情や感覚を意識的に扱うものなのではないでしょうか。

 

もし、あなたが実際に催眠を試そうかなと思った場合には、

どうか「言葉は刃物であり、人を助けも傷つけもする」

ということを厳に覚えておいてほしいと願います。